これからのふくしまに必要な「人を育てる」「場をつくる」

更新日:2023年09月27日

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2017年に猪苗代町の地域おこし協力隊に着任、任期終了後、猪苗代町を拠点に起業。様々なプロジェクトを併行しながらも、若い世代を中心に、猪苗代町を盛り上げるべく活動している先駆者のひとり、遠藤孝行さんにお話を伺いました。


遠藤孝行さんプロフィール

1991年、福島県生まれ。高校卒業までを福島市で過ごし、その後、埼玉県の大学へ進学。東京都の企業でエンジニアとして2年間経験を積み、2016年に故郷の福島市にUターン。2017年4月から猪苗代町の地域おこし協力隊を務め、任期中の2019年に株式会社AWRE(アウレ)を設立。現在は、システム開発、ウェブ制作の他、教育や地域活性化など多岐にわたって活躍中。

 

今日は宜しくお願い致します。まず、はじめに自己紹介をお願いします。

遠藤孝行です。猪苗代町で小学校の先生、2拠点生活のリモートワーカーの3人でルームシェアをして暮らしています。福島県のために何ができるか、そんなことを考えて、日々様々な事業を行っています。猪苗代町では、これまで活動する中で沢山の出会いがあり、様々なチャレンジをさせてもらっています。今は本職のシステム開発に加え、町づくり、プログラミングといった教育などの活動をしています。

さっそく、そんな遠藤さんのふくしまぐらし。について聞きました。

震災で感じた悔しさをバネに福島県の役に立ちたいと移住を決意

Q. 生まれ故郷の福島市に戻ったきっかけは?

A. 学生の頃、生まれ育った福島市には何もないと感じていて、高校生の時から家を出たいと思っていました。埼玉県の大学に進学した頃は絶対に戻ってこないと決めていましたね。でも、大学2年の時の東日本大震災で意識がガラッと変わりました。福島県のために何かしたい、そんな風に思いました。でも、自分にはまだ経験もないし、今帰っても何もできないのではないかと、モヤモヤした気持ちをずっと抱えていました。そして、福島県に帰った時に役に立てるよう、エンジニアのスキルを積むために東京のIT企業に入社し、2年ほどエンジニアとして働いてからを福島市に戻ることにしました。

 

Q. 猪苗代町の地域おこし協力隊になった背景を教えてください

A. 福島市に戻ってからは、福島ブースターという一般社団法人を立ち上げて、福島市で子どもたちにプログラミングを教えていました。その実績を見ていた企業の方から誘われて、廃校の利活用として「Roots猪苗代」をつくるプロジェクトに参加しました。それが縁で、猪苗代町の地域おこし協力隊をやってみないかと声をかけていただきました。

Q. 地域おこし協力隊を卒業してからのお仕事はどんなことをされていますか

A.  株式会社アウレでは開発系のITの仕事と、猪苗代のシェアキッチンの「ななかまど」やゲストハウス「椿」を運営しています。実務やマネジメントはスタッフに任せて、僕自身は開発に専念できるようにしています。1日中パソコンの前で開発に没頭する日が多いです。ほかにも複数の名刺を持っていて、福島市のシステム開発会社、福島総業の広告代理店のオーダーメイドジャパンや郡山市でシーシャカフェを運営するten to tenとい会社の取締役も兼任しています。定例会議は同じ日に設定して、同時に3つのウェブ会議に参加します。掛け持ちしていても、重要な情報はちゃんとチェックしていますよ。

※「ななかまど」の詳細は文末をご覧ください。

Q. 福島県へ戻ってから何か気持ちの変化はありますか

A.「福島のためになること、この地域に必要なこと」をつくるため、というところは全く変わっていません。でも、震災の時に感じた心のモヤモヤは少しずつ解消されてきました。今は福島県での活動をさらにスケールアップさせるためにどうするかを考えています。2024年にはオーダーメイドジャパンの拠点をアメリカに作るので、そこで現地のシステム開発案件を担当する予定です。今後はグローバルな視点で福島県を見てみたいと思っています。

福島県に居ても学びの機会や世界に出ていくチャンスをつかんでほしい

Q.子どものサードプレイス「集まりいな」など教育活動に力を入れている理由は?

A.「福島のためになる」ことは何かを考えたとき、「人を育てる」ことが一番インパクトが大きいと考えているからです。福島市でプログラミングやYouTubeを教えていた時は、みんなに均等に教えるスタンスでした。今は才能がある子をさらに伸ばすことに力を注いでいて、県のプログラミングコンクールで優勝した子と、スキーのモーグルでオリンピックに出たいという子の2人に教えています。授業はオンライン形式なのでどこにいても続けられます。田舎だから機会がないと諦める必要はないですね。2人とは今後もこの関係を続けていこうと考えています。
 

Q. 子どもに教えることで感じるやりがいは?

子どもは、やりたいことに向かって純粋に楽しんでいるので、どんどん吸収していきます。そんな姿をみると僕も嬉しいし、やりがいを感じます。僕が今教えている子たちが大きくなったときに、また下の世代に教えるそんな循環ができたらと。そして一緒に仲間として仕事できる日が来るといいな。と僕はひそかに思っています。福島県内のやる気と才能がある子をどんどん伸ばしていきたいですね。

遠藤さんのある日のふくしまぐらし。


日々多くのタスクと開発づくめでパソコンの前が定位置の遠藤さん。そんな遠藤さんの貴重な休日と仕事の1日をそれぞれグラフにしました。

 


猪苗代町を拠点に活躍する遠藤さんに、「わたしのふくしまぐらし。ベスト3」と題し、お気に入りベスト3を伺いました。

遠藤さんが「いいな」と感じている≪ふくしまぐらし。≫

1.日本酒がおいしい!!

日本酒が大好きなんですよ。会津坂下町にある曙酒造の日本酒をよく呑んでいます。郡山市の仁井田本家もいいですね。


2.毎日ワーケーション!!

開発で煮詰まった時は、ちょっと外に出れば磐梯山と猪苗代湖がどーんと目の前にあってリフレッシュできます。それを見ると「自分の悩みなんてちっぽけだ」って思います。協力隊仲間のゲストハウス・ハンボックに立ち寄ったり、カフェへコーヒーを飲みに行ったり、開放的な場所で仕事ができるのが魅力です。夏は仲間たちと猪苗代湖で湖水浴も最高ですよ。


3.  アクティブな若者が増えてきた!!

今、猪苗代では若い世代で活躍している人がいっぱいいます。僕が移住してきた6年前の猪苗代町は若い人は少なかったけど、コロナ禍以降はリモートワークや結婚を機に、地元に戻ってきた人が多いです。ちょうど僕ら世代が今後の人生を考えるタイミングだったんでしょうね。猪苗代町はこれからきっとどんどんアクティブになりますよ。

Q. 猪苗代町で暮らしてみたいなという方へメッセージ

A.廃校を活用した新スポットRoots猪苗代や猪苗代湖の湖畔にはキャンプ場も沢山あります。僕のおすすめの天神浜キャンプ場にもすぐに遊びに行けます。大自然がすぐそこにあるのが猪苗代町の魅力ですね。11月の終わりくらいから3月までは積雪もあり、寒いです。冬の時期は、町なかの人通りは減りますが、山ではウィンタースポーツを満喫できます。猪苗代スキー場は、平日だとリフト券が無料だから、ここに住めば滑り放題です。もちろんスーパーもコンビニあるので生活は便利ですよ。
 

遠藤さんが猪苗代町でおすすめするスポットは?

最後に、遠藤さんにおすすめスポットを聞いてみると、猪苗代町への移住をきっかけに立ち上げたお店「ななかまど」を紹介してくれました。「ななかまど」は日替わりでシェフが変わるシェアキッチン。カレーと麺のお店やスナックなど、現在8人のシェフが腕をふるっています。遠藤さんは飲食店のスタートアップ支援の意味合いも含めて、このお店の立ち上げを決断したそう。

「アウレの事務所はシェアキッチン「ななかまど」の2階にあるので、社員食堂感覚で作業の合間にお昼や晩ごはんを食べに来ています。僕は自炊を一切しないので、忙しいときもサッと下に降りておいしい食事が食べられたり、店主と少し話したりして、ひと息がつけるのはありがたいです。」

ということで、今回は猪苗代町へ移住された、遠藤孝行さんにお話を伺いました。今後も県内の様々な地域の移住者の方にお話を伺っていきますので、お楽しみに。

福島県への移住を検討されている方へ、少しでも参考になれば幸いです。

 

シェアキッチン「ななかまど食堂」

福島県耶麻郡猪苗代町新町4931-1

https://shokudo.nanakamado.site

※お店と営業時間は曜日によって変わります。詳細はウェブサイトをご確認ください。

この記事に関するお問い合わせ先

福島県ふくしまぐらし推進課

住所:〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話番号:024-521-8023
ファックス番号:024-521-7912

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