福島に移住・転入した女性の味方!移住者支援団体をご紹介!

更新日:2023年03月24日

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これから福島で新しい暮らしを始める方へ。

県内には、福島に移住・転入した女性をサポートする移住者支援団体があります。今回はその中から、「一般社団法人 tenten」「しゅふコミ」「会津美里こらんしょwoman」の3団体をピックアップし、各団体の代表者に設立のきっかけやビジョン、活動内容についてお話を伺いました。

いずれもSNS等で福島の暮らしに関する情報発信を行っており、気軽につながりメンバーとして仲間入りすることもできる団体なので、ぜひ一度チェックしてみてください。福島での暮らしをより豊かに、充実したものにするためのヒントが得られるはずです。

一般社団法人 tenten

転勤族の妻としての経験をもとに生まれたtenten

夫の転職を機に、縁もゆかりもない福島へ。友達も知り合いもいない土地で、夫しか話し相手がいない。さらに転勤族の夫は、数年経てばまた次の土地に引っ越すことになる。だから妻は、定職に就くことができない――。

自身の経験を振り返り、「本当につらかったし、この状況を打開したいという思いがあった」と話す藤本菜月さん。夫の転勤に伴い、南会津町、喜多方市、須賀川市、福島市と県内4カ所を転々とした後、「福島に転入した直後の自分のように、移住後に心細い思いをしている人のために何かできることはないか?」と、2018年に転入女性を支援する任意団体を立ち上げて活動をスタート。2020年に「一般社団法人 tenten」として法人化し、活動を本格化させました。

「あったらいいな」をカタチに

仲間づくりをしながら地域について学ぶ「WELCOMEワークショップ」の様子

tentenでは、大きく分けて6つの活動を行っています。その中でもメインとなるのが、福島に転入してきた女性が仲間を作ったり、地域とつながるきっかけを作ったりするためのワークショップや街歩きツアーなどのリアルイベントの企画・運営です。ほかにも、働くきっかけ作りや暮らしに役立つ情報発信、福島県産のアイテムがそろうセレクトショップ「ent」の運営などを行いつつ、tentenメンバーの「こんなことやってみたい!」をサポートする活動も行っています。実際に、tentenをきっかけに移住者同士がつながったことで新しい事業が生まれ、地域プレーヤーとして活躍する女性たちもいらっしゃるそうです。

「これらの活動は全部、私が『あったらいいな』と思っていたものをカタチにしたんです」と藤本さん。転勤族の妻であり移住者であるご自身の経験をもとに始めたtentenの活動範囲は、福島市内だけにとどまりません。県内のさまざまな地域の方がtentenの活動に参加し、イベントを開いたりSNS上で交流したりしています。現在、tentenのFacebookグループ「ふくしま転入女性コミュニティ」や公式LINEなどを通し、計750名ほどのメンバーがつながっているそうです。

お子さま連れのご参加大歓迎の「tenten café」の様子

リアルイベントのなかでも、特に移住してきたばかりの女性が参加しやすいのが「tenten café」です。福島市では月に1回、郡山市、会津若松市、白河市、南相馬市では年に2~3回程度開催しています。参加条件は、福島に移住してきた女性であることのみ。県内転勤の方、福島出身でUターンした方も参加できます。移住してからの年数も問いません。雰囲気の良いカフェや施設を貸し切って、ざっくばらんにおしゃべりを楽しむそうです。「ちょっとしたことを話したり、気になることを相談したり。そうするうちに友達や仲間ができる、そんな場所です」と藤本さん。tentenの公式LINEで友達登録すればイベント開催のお知らせが届くので、ぜひチェックしてみてくださいね。

自分の居場所ができれば、良いまちになる

実践的な記事制作のノウハウが学べる「tentenライター講座」の様子

県内各地を転々としてきた藤本さんに福島の魅力を尋ねると、「どの地域にもそれぞれ良いところがあるから、『福島の良さ』は一言ではまとめられないです」と話します。その上で、「どの地域に移住するかよりも、そこで自分の居場所が創れるかが大切だと思います。自分の居場所ができれば、だんだん自分にとって一番良いまちになっていくと思います。私はtentenの活動を通して福島に居場所ができたので、今は福島が一番好きですね」

tentenの取り組みが、tentenメンバー一人一人が「自分の居場所」を見つけるきっかけになればいい。移住後、心細い思いを抱える女性の心に寄り添う活動を、tentenは今日も続けています。

■一般社団法人 tenten

お問い合わせ・ご相談は、公式LINEよりご連絡ください。

HP:https://tentent.info/

Instagram:https://www.instagram.com/tenten.fukushima

Facebook:https://www.facebook.com/groups/207351393079551/

LINE:https://line.me/R/ti/p/%40oom3846r

しゅふコミ

ママたちの力を集結!「しゅふコミ」の誕生

「ママたちの力を合わせれば、地域がもっと良くなるはず」

そんな思いから生まれたのが、福島県郡山市を中心とした地域コミュニティ「しゅふコミ」です。しゅふコミは2018年に代表の横尾恵美さんが中心となって立ち上げた、主婦による主婦のためのコミュニティーで、現在は郡山市在住の主婦10名のコアメンバーに加え、県内各地の多くの女性たちで構成されています。

設立のきっかけは、震災後、横尾さんの頭にふとよぎった疑問でした。
「毎年3月11日になると、被災地の閑散とした風景が報道される。もしかして、福島には人が住んでいないように伝わっているのでは?」

福島に住む人たちが子どもも大人もみんな元気に当たり前に生活していること、福島の畑で採れる作物が安全なこと。これらを伝えるため、横尾さんは自家農園産のヘチマを使った化粧品を開発します。この時、ママにとって使いやすく子どもにとって安全な成分をと考え、SNSを活用して多くのママたちから意見を集めて一つの商品を作ったのだそうです。この経験に着想を得た横尾さんは、しゅふコミを立ち上げることを決意します。

子育て情報の発信や、ママたちの交流の場

しゅふコミでは、子育て地域情報誌「こおりやま子育てバイブル」の制作・発行や子育てコミュニティの運営などを主な事業として行っています。「こおりやま子育てバイブル」は、母子手帳の交付と同時に妊婦さんに手渡される子育て応援冊子です。子育てに関する悩みの相談先やベビーグッズの販売店、親子で楽しめるスポット情報などが掲載されています。また、しゅふコミではSNSを積極的に活用しており、公式Instagram「@shufucomi」でさまざまな情報発信を行うほか、お悩み相談も受け付けているのだそう。

「『郡山市内で子どもの歯列矯正のできる歯科はどこですか?』という具体的な相談から、『義理の両親との折り合いが悪くて……』なんてお悩みまで。いろいろなメッセージが届くんですよ」と横尾さん。

そうした相談はすべて、しゅふコミメンバーにとっては「自分ごと」なのだそう。「あるある!」「分かる~!」という目線で、みんなが親身になってコミュニケーションを取り合って答えを出す。それがしゅふコミの素敵なところです。

今後、注力したい事業をうかがうと、「産前産後の女性が、気軽に立ち寄れる場所をつくりたい」と横尾さん。初めての妊娠出産は、不安がいっぱい。その上、近くに頼れる人がいない状況だったら……そんな心細さを少しでも解消できる場を提供したいのだそう。

「私自身も、震災を機に福島にUターンしてきた移住者です。当時は妊娠中で、孤独で、誰かとつながれる場所がほしいとずっと思っていました。ここに行けば誰かと話ができる、きっと誰かが助けてくれる。誰もがそんな風に思える場にしていきたいですね。

特に福島は各地に子育て支援センターがありますし、無料で利用できる屋内遊び場なども豊富なので、とても子育てしやすい地域だと思います。ママ同士のつながりができればより楽しく充実した暮らしが叶えられるはずです」

「こおりやま子育てバイブル」の子育て支援施設紹介ページ

気軽に、友達みたいに。そんなコミュニティ

最後に、福島への移住を検討している女性に向けてメッセージをいただきました。

「しゅふコミの良いところは、気軽に参加できてメンバー同士が気軽につながれることです。困ったことがあれば、友達に相談するような感覚でメッセージをいただけたらうれしいです」

しゅふコミが一番大切にしている理念は、「子どもたちの未来を明るくする」こと。その理念に賛同して活動できる人なら、結婚していても独身でも子どもがいてもいなくても、女性であれば誰でも参加可能です。最初はちょっとした相談から始まり、徐々にイベントに参加したりしながら少しずつつながりを強めていって……気づいた頃には、友達がたくさんできている。そんな「気軽さ」がしゅふコミの何よりの魅力だと、横尾さんは笑顔で語ってくれました。

■しゅふコミ

お問い合わせ・ご相談は、InstagramのDMよりご連絡ください。

HP:https://shufucomi.com/

Instagram:https://www.instagram.com/shufucomi/

LINE:https://line.me/R/ti/p/%40805dxacc

会津美里こらんしょwoman

会津美里の素敵なところ、見に「こらんしょ」

会津美里町の裏路地<span style="font-size:11.0pt;line-height:115%; font-family:游ゴシック;mso-bidi-font-family:游ゴシック;mso-ansi-language:#0011; mso-fareast-language:JA;mso-bidi-language:AR-SA">

会津美里町は、2005年に会津高田町、会津本郷町、新鶴村の3町村が合併して誕生したまちです。そのうち、会津本郷町は福島県内では知らない人はいないほどの「会津本郷焼」の産地。東北最古の焼き物産地とされ、全盛期には100を超える窯元があったそうです。

地域づくり団体「会津美里こらんしょwoman(以下、こらんしょ)」の代表・竹内樹美さんは、福島県の磐梯町出身。結婚を機に2008年に会津美里町(旧会津本郷町)に移住してきました。移住後、歴史を感じる裏路地の雰囲気や古い町並み、個性あふれる窯元の魅力に惹かれたと言います。「会津美里町の素敵なところを、もっと広めたい」そんな思いが胸に湧き上がりました。

そして2016年、町が主催するまちづくり関連のセミナーに参加したことがきっかけで、竹内さんはこらんしょを立ち上げることに。「こらんしょ」とは、会津地方の方言で「来てください」という意味。町内在住の有志の女性たちが、Instagram「@coransho_woman」やFacebook「会津美里こらんしょwoman」を通して地域の情報を発信をしたり、マルシェや裏路地ツアーなどのリアルイベントを開催したりしています。

あえて「知られていない場所」でイベントを開催

「宮川桜まつり〜こらんしょマルシェ」の様子

こらんしょが特に力を入れているのが、移住者も地域の人たちも気軽に参加できるリアルイベントの開催です。中でも地元の飲食店やクリエイターなどが出店する「こらんしょマルシェ」は、「今まであまりイベントが開催されていない場所で開く」のが、竹内さんのモットーなのだそう。

ある時は、「宮川河川敷公園」という河川敷の公園で「宮川桜まつり〜こらんしょマルシェ」と題してイベントを開催しました。宮川河川敷公園は地元では有名な桜の名所ですが、一般的にはあまり知られていない穴場スポットなのだとか。「会津美里町にこんなに良いところがあったなんて知らなかった、と言ってくれる人を一人でも増やしたくて、あえて知る人ぞ知るような場所を選んでいます」と竹内さんは話します。

「こらんしょマルシェ〜会津本郷せと市」の様子

マルシェには、毎回10~20店舗ほどが出店します。飲食や物販のほかにワークショップなどの催しもあり、石鹸作りやアロマを使った小物作りなど、小さい子どもから大人まで楽しめるものがほとんど。竹内さんご自身も子どもを持つ母親なので、「子どもも一緒に楽しめること」を常に意識してイベントを企画・運営しているのだそう。今後も年に2回ほどのペースで開催していく予定で、来場者としてだけでなくイベントスタッフや出展者として参加することも可能です。

「会津美里町には、結婚や夫の転職を機に移住してくる女性が多いです。同じ道を通り、同じ経験してきた女性同士だからこそできる話も多いと思います。イベントには誰でも参加できるので、お気軽にお越しください。そしてぜひ『移住してきたんです!』とスタッフに話しかけてみてほしいです。新しい暮らしを築いていく上で、力になれることもあると思います」。

誰もが気軽に交流できる場づくり

歌詠み後のお茶会

今後の活動について伺うと、「会津地方に古くから伝わる風習『歌詠み』をやりたい」と竹内さん。歌詠みとは、人が亡くなった際に初七日から四十九日まで、近所の女性たちが集まって歌を詠むというもの。かつて、会津の女性たちは「歌詠みの練習」という名目で、月に一度集まってはお茶を飲んだりお酒を飲んだり、女性同士の交流を楽しんでいたそうなのです。

「私の母が歌詠みをずっとしていたんです。毎月1回、夜の21時過ぎにいい気分で帰ってくる母を見て、子ども心に自分もいつかやってみたいと思っていました」と竹内さんは笑顔を見せます。

また、こらんしょは2023年10月7日(土曜日)~10月8日(日曜日)にかけて開催予定の「あいづみさとワインフェス」のマルシェ部門を担当します。「当日は県内各地のワイナリーやワイン用ぶどうの栽培者が一堂に会し、皆で福島県産ワインを楽しみます。飲食や物販、ワークショップなどいろいろな企画を考えていますので、ぜひお越しください。一緒に乾杯しましょう!」

現在、こらんしょは新しい運営メンバーを募集中です。「現在、6人ほどのメンバーで活動していますが、私を含め、仕事や育児などで忙しいので、空いた時間を使って少しずつ活動しています。少しでも関わってみたいという方は、Instagramのメッセージからご連絡いただけると嬉しいです」。

「裏路地ツアーも、地元のおばあちゃんによる郷土料理教室も、地元の人と移住者を繋げるお茶会も行っていきたい」と話す竹内さん。最新のイベント情報はSNSで随時発信していきますので、ぜひチェックしてみてください。

■会津美里こらんしょwoman

お問い合わせ・ご相談は、InstagramのDMよりご連絡ください。

HP:https://coransho-woman.sakura.ne.jp

Instagram:https://www.instagram.com/coransho_woman

Facebook:https://www.facebook.com/coransho

この記事に関するお問い合わせ先

福島県ふくしまぐらし推進課

住所:〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16
電話番号:024-521-8023
ファックス番号:024-521-7912

お問い合わせはこちらから↓
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